契約期間外の米兵にボーナスを

2008.12.12



 military.comによると、イラクとアフガニスタンで契約期間を超えて戦っている米兵の除隊を防ぐために、新しいボーナスが与えられる見込みですが、金額や期日は未決定のままです。

 国防歳出小委員会のジョン・マーサ下院議員(Rep. John Murtha)は、軍上層部が詳細を検討中だといいます。マーサ下院議員はボーナスとして月額500ドルを要求しています。大将となる兵士は12,000人とみられます。このボーナス支払いの法案は今年早期に決定しており、対象者に月額500ドルを超えないボーナスを支払うと定めています。このため、7,200万ドルの予算が割り当てられました。陸軍報道官は、近い将来にボーナスが支払われる見込みで、詳細を詰めていると述べています。一部の議員たちは、同時多発テロ以降に志願し、契約期間を超えて在籍した軍人すべてにボーナスを与えるべきだと主張しています。この対象者は、マーサ下院議員によれば約185,000人いるとのことで、それを実現するつもりだと述べています。

 このボーナス支払は議会としては常識的な判断です。契約期間を超えて在籍させているのは軍の都合ですから、何らかの追加の報酬があって当然だからです。ですが、こうした支出の追加は、米政府の財政や経済状況を悪化させます。そうでなくても、戦争になると可能性のあるものは何でも承認されるもので、平時なら到底通らないようなものでも、少しでも可能性があるという理由で予算がつけられます。対テロ戦争では、すでに様々なものが前倒しで採用され、多額の費用が投じられてきました。戦争をはじめる時、誰もこうした問題について考えようとしません。もちろん、平時にも考える者がいないので、常に考察されない問題として放置されることになります。戦争で経済が活性化したのは過去の話です。掲示状況が変わった現代では、むしろ戦争は経済に有害だということを誰も否定できないはずです。こうしたところから戦争を考える視点を、多くの人が持つ方が、戦争はより起こりにくくなるのです。


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