自衛隊の志願者が5年間で半減

2008.11.4



 あまり重要な記事ではありませんが、space-war.comが珍しく、日本の自衛隊が募集難に陥っていると報じたので紹介します。

 自衛隊に志願する若者の数は、2002年と2003年をピークとして減少し、現在は約半分になっています。子供の数が減少している上に、さらに高等な教育を求めるため、自衛隊の志願者が減っているのだと陸上幕僚監部で募集の任を負う、ニシダ・マコト三佐は述べています。記事は、渋谷に開設された「自衛館」の様子を紹介し、自衛隊がそのイメージを和らげる努力を惜しまないことを説明しています。しかし、その努力が最近起きた事件(イージス艦の漁船衝突事故。海上自衛隊の格闘訓練死亡事故)により損なわれているとも、記事は書いています。ただ、海自の「特別警備隊」のことを「an elite counter-intelligence unit」と書いているのは疑問です。これでは特殊部隊ではなく、敵の諜報活動を調査する「防諜部隊」の意味になってしまいます。海自は特別警備隊を「Special Boarding Unit: SBU」と表記しています。もしかすると、対テロ部隊を意味する「Counter-Terrorist Unit」と書きたかったのかも知れません。

 この不景気に志願者が来ないのは、自衛隊にキャリア形成の可能性を見出せないためでしょうか。よく、「働きながら学校に通える」と教えられて入隊したら、部隊の都合で通学できなかったとか、通学が困難だったという話を聞きます。自衛隊で取得できる資格の中には、魅力ある物もありますが、そう思われていないところがあるかも知れません。また、自衛隊でとれる資格は隊内でしか通用しないものが多いのは事実でしょう。いくら戦車の砲手で達人になっても、一般社会では使えません。米軍の場合、将官になりそうな将校で、学位を持たない者には、積極的に大学に通わせて学位を取らせると聞きます。そうした希望を持てる制度を設ける必要があるかも知れません。

 時間がないため、ここまでにします。他に、負傷兵の半数は軽傷であるという報告が目を惹きます。また、炭疽菌テロの容疑者とされ、自殺したブルース・アイビンスに関する新しい記事が載っています。科学者たちはFBIの結論を疑っています。


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