教官が生徒との不適切な性的関係で処罰

2008.11.24



 時間がないため、簡単に紹介するに留めますが、military.comによれば、米陸軍の訓練教官と女性新兵の不適切な性的関係により多くの訓練教官が処分を受けている実態が明らかになりました。

 2007年2月以来、レナード・ウッド基地(Fort Leonard Wood)では、少なくとも14人の訓練教官が、訓練生との不適切な性的関係により起訴されています。起訴された事件の約90%は合意の上のセックスでした。一例を挙げると、勲章を多数授与された6年の経験を持つ化学部隊の下士官は、4人の訓練生と部隊の補給室と洗濯室、彼のトラック、病屋、ホテルの客室、自宅においてセックスした件で起訴されました。その他、事例がいくつも紹介されています。合意の上であっても、訓練教官と訓練生の性的関係は規則に抵触します。レナード・ウッド基地はジャクソン基地(Fort Jackson)と共に、新兵の基礎訓練を行う基地です。レナード・ウッド基地の年間の訓練生数は約30,000人で、その3分の1が女性兵士です。この基地には503人の訓練教官がおり、その内96人が女性です。訓練教官の大部分は、階級や給与を引き下げられ、懲戒除隊(Bad Conduct Discharge: BCD)になった者もいます。かなり長い記事なので、関心のある方は全文をお読みになるとよいでしょう。

 陸軍に入隊した者は、まずレナード・ウッド基地かジャクソン基地で、最初の基礎訓練を受け、その後、配属が決まると、そこでさらに専門的な訓練を受けます。そういう場所では、軍の規則を身につけてもらうため、教官と訓練生の間に必要以上の接近があってはならないとされているわけです。懲戒除隊は、不名誉除隊(Dishonorable Discharge: DD)よりは軽い処罰ですが、軍事法廷によって決定され、正常に除隊した者が受けられる恩典のほとんどすべてを失います。不名誉除隊に比べれば軽いものの、民間で言う懲戒免職とほぼ同じです。不名誉除隊の場合、再就職が極めて困難になるとか、銃器の合法的取得が認められなくなるなどのペナルティがあります。なお、不名誉除隊も「懲戒除隊」と訳されることがあり、しばしば混同されるので注意してください。


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.