南オセチアでロシア軍が増強

2008.10.25



 space-war.comによれば、南オセチアのロシア軍はこの2週間で2,000人が増員され、7,000人になったと、グルジアが主張しています。

 ロシアはかつて、南オセチアとアブハジアと合わせて、7,600人を保持するだろうと主張していました。南オセチアだけで7,000人は明らかに多すぎる兵数です。南オセチアのアカールゴリ(Akhalgori)には、40台の装甲車が確認され、グルジアは停戦合意違反だと主張しています。ロシアの国防次官は、自国は停戦合意の義務を絶対的に支持しており、ロシア軍の兵数は平和維持軍に報告した数を下回っていると主張しています。

 ロシアはグルジアに圧力をかけつつ、和平会議を有利に運びたいようです。しかし、明白な停戦違反はできないので、ギリギリのところを狙っています。こうして、NATOやアメリカの対応をやりにくくして、グルジアのNATO加盟を極力先延ばししたいというのがロシアの真意でしょう。NATOやアメリカが強攻策に出ない限り、ロシアがこれ以上グルジアを攻撃することはありません。そうなると、この紛争は長期化し、2014年のソチ・オリンピックが政治的な駆け引きの材料と化す恐れが出てきます。ロシアはパイプラインをNATOの手に渡さないので済むのなら、グルジア全土が手に入らなくても妥協するでしょう。


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