NATO会合が一転。麻薬問題で合意へ

2008.10.11



 military.comによると、NATOの防衛大臣会議は、前日とは一転して、アフガニスタンの麻薬問題に取り組むことで一致しました。アフガン政府から合意への強い要望が出されたため、各国が合意に至ったようです。

 ドイツ、スペインなどの国は、NATOのアフガン政府への協力に一定の制約を求めて承認されました。軍は自国の政府が認めた麻薬施設に対してだけ行動を行います。標的にできるのは、武装勢力を支援していると認められた者に限られます。作戦は一時的なものとして立案され、アフガン軍が任務を引き継げるようになれば終了します。関係国は、これで十分な対処が行えると、満足を示しています。これで、NATOとしてはアフガン警察との線引きを明確にしたことになります。アフガン側としては、制約の中で、正式にNATOの協力を得ることができます。

 事態が好転しました。妥協案が盛り込まれたので、各国は疑問がある作戦に対しては参加を拒否できるようになりました。たとえば、アメリカが麻薬工場だと指摘した施設に対して、ドイツが十分な証拠がないと判断したような場合、ドイツ政府が承認を拒否して、ドイツ軍は参加しないという選択ができるようになったのです。NATO参加国は協調して行動するので、この制約を悪用するような心配はありません。こうして、大麻の取り締まりを続けながら、アフガン農民の環境を整え、耕作面積を減らしていくのが目標となります。

 それにしても、麻薬対策に関して、現在進行中の情報があまり報じられないのは疑問です。ISAFのウェブサイトを見たところでも、簡単なファクトシートくらいしか見つかりませんでした。もっと調べれば何か見つかるかも知れませんが…。


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.