パキスタンで武装勢力が攻勢

2008.1.23



 military.comによれば、先日、パキスタン兵が基地を放棄して逃げたとされた南ワジキスタンで、1月22日午前1時に武装勢力が基地を攻撃し、5人のパキスタン兵が殺され、7人が負傷しました。パキスタン軍は武装勢力多数を殺害したとしていますが、正確な数字は確認できないとしています。なぜ確認できないのかは疑問に感じます。武装勢力が死体を持ち去ったとか、まだ危険で基地外に行けないとか、理由があるのなら発表されてもおかしくありません。

 この南ワジキスタンは、先日のプット元首相暗殺事件で首謀者とされたバイトゥッラー・メフスード指揮官(Baitullah Mehsud)がいる地域です。事件以来、この地域では武装勢力とパキスタン軍との対立が続き、先週末、パキスタン軍は武装勢力90人を殺害しました。

 一連の動きはどう見ても、パキスタンでのテロ攻撃の活性化を連想させます。考えやすいのは、パキスタンでイラクやアフガニスタンのパターンを踏襲した戦いが繰りひろげられることです。やりやすいことから順番に実行されていくと考え、対策を考えていく必要があります。でも、それはとても嫌な予測です。


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