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キティホークへの洋上給油は適切だったか?

2007.9.21



 市民団体「ピースデポ」が、海上自衛隊の補給艦「ときわ」が2003年2月、米補給艦を通じて空母「キティホーク」に給油した油量が20万ガロンではなく80万ガロンであることを指摘しました。防衛省は、この時の給油がイラクでの作戦に使われていないことをアメリカに確認するとしていますがか、こんな間の抜けた質問を本気で米軍にするつもりなのでしょうか?

 キティホークのホームページには、当時の活動について、南方の警戒作戦(Operations Southern Watch)とイラクの自由作戦( Iraqi Freedom)に参加し、104日間の任務をこなした後で、5月6日に横須賀港に帰港したと書かれています。

Kitty Hawk received orders in February 2003 and was soon involved in Operations Southern Watch and Iraqi Freedom in the North Arabian Gulf, serving 104 continuous days at sea. Kitty Hawk returned to Yokosuka May 6, entering a dry-dock period ending Oct. 17.

 南方の警戒作戦は、安全保障理事会決議688をイラクが順守しているかを監視するための作戦で、イラク南部に設定された飛行禁止区域を監視する任務でした。これは当然ながら、2003年3月19日に始まったイラクの自由作戦を準備するための偵察活動も含まれると考えなければなりません。globalsecurity.orgにも、キティホークが南方の警戒作戦に参加していたとはっきりと書かれています。

US Navy, Marine and Air Force units continued to enforce the U.N.-mandated no-fly zone over Iraq, protecting Iraqi minority populations. Naval operations in 1996 included extensive Navy and Marine aircraft sorties from the carriers America (CV 66), Nimitz (CVN 68), George Washington (CVN 73), Carl Vinson (CVN 70), Enterprise (CVN 65), Kitty Hawk (CV 63) and amphibious assault ship Peleliu (LHA 4).

 さらに、同サイトの2003年のキティホークの活動内容に関する記事には、イラクの自由作戦開始直前までの米軍機の活動内容が書かれています。どの空母から発進した航空機かは書いてありませんが、攻撃任務が何度も行われていることが書かれています。この中に、キティホークから発進した攻撃機が含まれていたとしても、何もおかしくはありません。逆に、104日間の作戦中、空母が攻撃、哨戒、偵察などの任務を一度も行わなかったとすれば、それはキティホークがその海域にいる必要がないことを意味し、極めて不自然なことです。これらの活動を行わないのなら、わざわざ横須賀から湾岸地域まで行く必要がありません。たとえば、昨年エンタープライズは1ヶ月間の任務期間中、イラクの自由作戦と不朽の自由作戦に参加し、「千回以上のフライト・オペレーション」を行いました。これは昨年、7月13日付けの記事で紹介したことです。防衛省は大見得を切っていますが、一体どうする気なのでしょうか。

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