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BW社による死傷事件:状況は不透明なまま

2007.9.19



 ブラックウォーター社の警備員がイラク国民を殺害した事件の続報をmilitary.comが報じました。この事件では、自動車爆弾と銃撃によって、少なくともイラク人18人が死亡し、60人以上が負傷しました。

 BW社は殺害された者たちは、国務省の職員を襲撃した武装勢力であり、正当防衛を主張しています。現在のところ、事件の全容は明らかになっていません。事件は人通りの多い場所で行われました。国務省の車列はグリーン・ゾーンに戻る途中で、ニソア広場で自動車爆弾による攻撃を受け、その後銃撃を浴びて、車両が損傷しました。イラク政府は、BW社のヘリコプターが群衆に向けて発砲したと主張していますが、BW社はいかなる航空機も現場上空にはいなかったと主張しています。

 起こった事件は大規模なのに、なぜこの段階で基本的な情報すら食い違っているのかが疑問です。死者が武装勢力かどうかくらいは、判別できるはずです。なにかの障害があって、調査が進んでいないのかも知れません。車列の警備にヘリコプターが使われるのは珍しいことではなく、目撃談が間違っているとは言い切れません。逆に言うと、車列警護にはヘリコプターが使われるものだから、当然、上空にいたと目撃者が誤認した可能性もあります。しかし、どちらが正しいかはまだ判断できません。少なくとも、現場に残された弾痕から弾道を確定し、上から下に向けて撃ち込まれたものかを判定する必要があります。

 イラク政府は安全保障防衛委員会を設置し、民間警備会社の免責特権を廃止することを検討する見込みです。これが実現するかどうかが問題ですが、そうなれば1つの大きな動きとなります。何でもアメリカに依存するのではなく、重要な部分はイラク人が行う流れが生まれる可能性があります。とにかく、事件が明らかになるのはこれからです。

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