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米軍のIED対策は完全に手詰まり

2007.8.21



 military.comによれば、米軍は広島と長崎に投下した原子爆弾の製造費に匹敵する予算を注ぎ込みながら、未だにIEDに対する対処を見出せていません。

 統合即製爆発物対策機関(Joint Improvised Explosive Device Defeat Organization: JIEDDO)は来年までに約130億ドルを費やします。この金額はインフレによる変動を考慮しても、原子爆弾の開発費とほぼ同じだと言います。予算はハンヴィーへの追加装甲、爆弾の設置を監視する小型カメラを搭載した飛行船や無人機、妨害電波装置、爆弾除去ロボット、地雷探知犬、及び訓練に使われます。10月にJIEDDOは深く埋められた爆弾を探知する地中レーダーをテストします。

 しかし、武装勢力のテクニックは進歩を続けていると記事は書きます。砲弾をいくつか連結した爆弾、爆発物を詰めたプロパンガスのタンク、旧式の対戦車地雷が依然として使われているようです。さらに、先月米軍は縁石そっくりのIEDを発見しました。7月のEFP(自己鍛造弾頭)による死者数はIEDによる死者数の5%でしたが、総数に占める数は30%にものぼります。無線で起爆するIEDは2006年初期以来、60%から15%へと減少しました。武装勢力が有線式に切り替えたので、妨害電波は役に立たなくなったのです。私はこのことをかなり前に指摘していましたが、やはりその通りになったようです。結果として、JIEDDOは十分な成果を達成していないという訳です。

 米軍のIED対策は完全に堂々巡り、いたちごっこに陥っており、同じことが繰り返されているだけです。もはや解決の方法はありません。IEDについて書くのは、私もいい加減にうんざりなのです。

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