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リュート中将が徴兵制を示唆?

2007.8.12



 military.comによれば、大統領補佐官兼国家安全保障問題担当副顧問のダグラス・リュート中将(Lt. Gen. Douglas Lute)がラジオ番組で徴兵制への移行を示唆しました。

 就任以来初めて国立公共ラジオに出演したリュート中将は、「徴兵制は考慮する意味がある。常に選択肢の一つである」と述べましたが、ブッシュ大統領はその必要を感じていないとも述べました。どういう経緯で徴兵制の話が出たのかは記事に書かれていませんから、多分、質問に答える形で出た話でしょう。この記事は徴兵制への移行が近いことを示すものではありません。ただ、チャールズ・ランジェル下院議員(Rep. Charles Rangel)は徴兵制への切り替えを主張しているのは気になります。

 徴兵制は1973年に廃止されましたが、1980年に選抜徴兵制が制定され、18歳に達した男性は徴兵簿に登録されるようになりました。徴兵制に移行すれば、徴兵簿に載った男性のところに召集令状が届く仕組みです。だから、これが実行に移されれば変化は突然やってきます。アメリカ社会は一気に変わることになります。日本はそれを見据えた上で自らの戦略を考える必要があります。普通、国家戦略は「余裕がない」ことを意識しながら「余裕を作る」ことに専念するものですが、アメリカは無駄な出血を選択して余裕を減らしています。日本はそのアメリカに追随することに専念しています。アルカイダとの戦いが長期化すればアメリカも余裕がなくなり、日本に何らかの支援を要請するようになるかも知れません。現在、自民党出身の閣僚たちがその方向に向かって全力で邁進しています。日本の政治家がアメリカの力を借りて政権を安定させたり、地位を得たりする手法は恥ずべきものですが、国民の怒りがこうしたことには向かわないので改善されないのです。

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