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イラク軍の補給部門に重大な欠陥

2007.8.1



 イラク軍の補給システムに関する記事がmilitary.comに載りました。W・E・ガスキン海兵隊少将(Maj. Gen. W.E. Gaskin) がイラク軍の補給システムの問題点を指摘しました。

 ガスキン少将によれば、イラク軍のリクルートと訓練に関しては具体的な進展があったものの、重要な武器のメンテナンスと修理を行うシステムが立ち遅れているというのです。現在のまま進めば1年後にはイラク軍は望んだ行動が行えるようになるでしょうが、補給部門にはそれが望めません。イラク国防省は、ハンヴィーのような基幹装備を修理したり、補給物資を配送するのに、個人の契約業者に依存しています。車両や武器が故障すると、修理要請は煩わしく時間がかかる承認過程を往復します。さらに、2003年5月に連合軍暫定当局が廃止されると、この欠陥があるシステムを構成していたイラク人の多くが失われました。現在、人材を養成したり、システムを理解している経験者を捜しているところです。

 これはとんでもない障害があったものだと思います。中東の商売のやり方は色々聞きますが、近代的な軍隊にはまったく似つかわしくないものです。それに、すでに米軍が補給部門を完全にイラク側にやらせているとは思いませんでした。湾岸紛争の時、砂漠に巨大な前線を形成したイラク軍を弱らせるために、米軍はすぐに攻撃せずに空爆を繰り返し、補給戦を切る方法を使いました。前線の兵士は物資が届かないので戦意を失い、地上戦が始まるとすぐに降伏しました。それが繰り返されているとなれば、米軍は補給技術の手本を示してみせるしかありません。それでも、イラク人は旧来の習慣を変えられないのかもしれませんが…。

 しかし、補給部門が改善されたとしても、イラク軍が直ちに機能するとは思えません。イラク人が軍事的な才能を生かせるのは、ムジャヘディンとしての活動を行う場合だと思います。つまり、地域の治安のために行動する時にだけ、彼らは活動できるのです。部隊は宗派ごとに編成されていて、これが一つにまとまるとは思えません。たとえば、クルド人を訓練しても、彼らはその技術を使ってトルコでテロ活動を行うかも知れません。こうした問題は解決できそうにありません。

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