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米海兵隊が徒手格闘を強化か?

2007.7.23



 アメリカ人はいまだにカンフーと空手の区別がつかないことを示す記事「全海兵隊員をカンフーファイターに」がmilitary.comに載りました。

 米海兵隊は2001年から「海兵隊武術プログラム」を実施しており、2007年末までに全員が黄褐色の帯を取得しなければなりません。さらに、海兵歩兵は2008年末までに緑帯を取得しなければなりません。その他の海兵隊員は灰色帯が求められています。また、アクション俳優のチャック・ノリスが海兵隊の名誉隊員であることもこの記事に書いてあります。黄褐色帯は、基本技術の倒す、動く、突く、絞めるなどの技と対処法をマスターしていることを示します。灰色帯は、下半身への攻撃、絞め技、ヘッドロックからの脱出をマスターしていること。緑帯は筋肉を骨から外す方法をマスターしていることを意味します。さらに、スパルタ人、ズールー族、アパッチ族など、歴史に名を残す戦士のメンタルスキルも学び、これらの技能を模範的な市民として行動することにつなげるキャラクターの向上も行います。

 記事の内容からすると海兵隊員が学んでいるのは空手のようですが、タイトルはカンフーとなっています。両者の技はかなり違いますが、いまだに区別してもらえないようです。ところで、ヘッドロックからの脱出は以前から徒手格闘の技として存在しており、今回の武術プログラムが従来の技を一層強化したものだとは言えないようです。このプログラムの狙いがどの辺にあるのかはよく分かりません。対テロ戦争に役立つかというと、それは難しいでしょう。イスラム戦士は素手で戦うよりも手榴弾を持って米兵に抱きついて自爆することを好むと考えられ、ジェイソン・ダナム伍長が戦死した時の実例もあるからです。武装勢力相手には徒手格闘は避け、距離を保って殺害する方が安全です。

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