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読者の60%近くが撤退を支持

2007.7.19



 military.comが実施したオンライン・アンケートによれば、60%近くの読者がイラクからの撤退を支持しています。調査は7月10日に同紙の読者を対象に行われました。質問は「米軍はいつイラクから撤退すべきですか?」で、5,440件を越える回答がありました。

2008年末。もう十分だ。 17%
今すぐ。命と資源の無駄だ。 42%
武装勢力を完全に打ち負かすまで。 41%

 アンケートに答えるのは誰でもできます。それでも回答者に軍人が多いことは推測できます。その中で60%近くがイラク撤退を支持しているというのは、一般国民を対象とした世論調査とほぼ同じです。

 6月26日から行われたアンケート「議会はブッシュにもっと時間を与えるべきですか?」では、500件を越える回答があり、60%が増派にさらに時間を与えることを支持しました。3月の「増派は戦争の遂行全体を助ける」と1,150人の回答者の70%近くが答えました。同じ月の「議会は撤退に期限を設けるべきではない」という質問には60%が賛成しました。この数ヶ月でイラク政策に対する支持は急速に失われたことになります。

 この結果を見ると、今まで撤退に反対していた大多数の人たちが考えを変えた理由を知りたくなります。意見を変えた理由を調査すれば、興味深い結果が得られるように思います。これで思い出すのは、テレビ番組で見たフライトシミュレーターを使った非常事態の訓練です。機長と副機長に着陸地を変えざるを得ないような悪天候の状況を与え、ふたりがどう行動するかを試しました。機長は目的地への着陸を望みますが、副機長は別の空港への着陸を推奨し、機長が却下しても考えを変えませんでした。訓練後の討議で副機長はこう言いました。「私が何度か言うと機長は意見を変えました。それならなぜ最初に聞いてくれなかったのかと思います」。戦史を読んでいると、戦争が生む犠牲者の半分くらいは、こうした決断の躊躇によるのではないかと思うことがあります。

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