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精神障害が予想以上に多い可能性

2007.6.25



 military.comが米軍の負傷兵の実態を報じました。

 腕、脚、指、足指を失った兵士は800人以上、失明した兵士は100人以上、数百が火傷による外観の損傷、数千が脳障害と精神障害を被っています。彼らの総数は、集計の方法により35,000〜53,000人の幅があります。

 気になる記述を拾ってみます。数千人の脳障害は実際にはもっと多いと推定されています。ウォルター・リード陸軍病院に送られてきた患者の半数が脳障害を持っていました。現在、すべての帰還兵についての調査が進行中です。米軍はドイツにも十分な装備を持つ軍病院を持っています。ウォルター・リードに送られるのはドイツで治療後、さらに治療を必要とする患者ですから、より軽傷の兵士についても調査する必要があるのでしょう。ハーバード大学のエコノミストリンダ・ビルメスは、負傷兵の生涯医療にかかる総額は、2,500〜6,500億ドルであると見積もっています。今年初め、国防総省は負傷兵の統計を取る時、軍病院へ空輸する必要がなかった兵士を総計から除外することにしました。(より詳しくは記事を読んでください)

 この記事やこれまでの報道を総合すると、身体的な傷害よりも、精神的な傷害を受けている兵士の方が多く、政府の対応は実態に追いついていないようです。米軍はこの戦争が銃撃戦ではなく、IEDによる攻撃になることをまったく予知しておらず、そのための負傷兵の治療については考えていなかったようです。IEDによる攻撃は銃による攻撃よりも精神障害を起こす可能性が高く、そうした患者の急増に対処できていません。大体、これらが対テロ戦争における米軍兵士の負傷の実態と見てよさそうです。

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