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歴史街道

アフガン南部でタリバンが攻勢

2007.6.20



 military.comによると、アフガニスタンのタリバンが、アフガン南部やその他の重要地域で攻勢に出ています。

 先日、オランダ兵が戦死したのもこの戦闘の最中でした。ウルーズガーン州(Uruzgan)で、タリバンはチョラ(Chora)にある警察署を襲撃しました。また、隣接するカンダハル州でミヤ・ニシン地区(Miya Nishin)を占拠しました。被害は明らかになっておらず、複数の報告があります。その一つは、「少なくとも16人の警察官を含めた100人が死亡」で、もうひとつは「70〜75人の民間人が死傷、100人以上のタリバン、35人以上の警察官が死亡」です。カルザイ大統領は攻撃を受けた6州の警察本部長の交代を承認しました。6州は、ヘルマンド州(Helmand)、カンダハル州(Kandahar)、パクティア州(Paktia)、ザブル州(Zabul)、ファラ州(Farah)、ヌリスタン州(Nuristan)です。

 別の記事では、多国籍軍とアフガン軍がタリバンだけでなく、民間人をも攻撃していると書いています。支援組織94団体を代表するグループは、多国籍軍とアフガン軍は、今年、60人の女性と子供を含む少なくとも230人を殺したと主張しています。ほかにも、空爆で少年ばかりが7人死亡した事例も紹介されています。軍人向けメディアがこうした民間人への被害も報じることは驚きです。

 今回の攻勢で、タリバンは戦略を変更したとみられています。また、15日にはウルーズガーン州でオランダ兵を狙った自爆攻撃があったことを紹介する記事も出ており、アフガニスタンの様相がイラクに似てきたことが気になります。ソマリアでのアルカイダの介入は明らかで、インドにその兆候が見え、アフガニスタンでもタリバンとアルカイダの連携が確定的となったということは、テロリズムが徐々に一つの地域を越えて拡大しているということです。タイにも不満を持つイスラム教信者がおり、ここにアルカイダが付け入る余地は十分にあります。ブッシュ政権はテロ組織を駆逐するのではなく、逆に支援しています。こうなるから、イラクで余計な力を使うのではなく、国際的な対テロリズムの枠組みを作るべきだと言うのです。翻ると、日本政府の公式見解ではブッシュ政権の対テロ戦略は徐々に成果をあげており、日本はそれを支持するということになっています。日本政府の態度も変える必要があります。このままではテロリズムがはびこるだけです。

 伝えられるところでは、次期大統領選挙はヒラリー・クリントン氏とルドルフ・ジュリアーニ氏の一騎打ちになりそうです。テロ攻撃を受けた街の市長が立候補するのでは、ジュリアーニ氏がどう考えようと、テロリストたちは自分たちに対する挑戦と受け止め、逆効果となって返ってくるでしょう。ヒラリー氏が大統領になる方が、本来あるべき対テロ政策へ移行するのが簡単で、国際社会からの支持も得られます。いい加減に「お遊び」は止めにして、「正しい道」を歩んで欲しいと思います。

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