onlineで定期購読の申し込み!

総合的国際情報誌
フォーサイト

歴史ファンなら…
歴史街道

米海軍のIED対策は成功するか

2007.6.13



 military.comによれば、米海軍もIED対策に乗り出しています。しかし、内容を見る限り、あまり期待できそうにありません。

 今回公開されたIED対策は、電子戦用航空機EA-6B「プロウラー」を使った電波妨害です。プロウラーは高度20,000〜30,000フィート(6,000〜9,000km)を飛び、IEDを爆発させるのに使われる電波を探知します。コンピュータが電波を解析し、脅威が探知されると搭乗員は妨害電波を発します。IEDの起爆には携帯電話とガレージのドアを開ける無線装置が使われています。記事は、この手法の支持者でさえ、効果を計るのはむずかしいと述べていると書いています。デイビッド・ウッズ海軍大佐は、妨害電波がIEDの爆発を阻止したかどうかを確認するのはむずかしいと述べています。それでも、彼はプロウラーが飛んでいる時はIEDが爆発することは少なく、保険のようなものだ、と述べています。

 現在、中東地域にはプロウラーの2個飛行編隊があり、空母ジョン・C ・ステニスとニミッツに配備されており、イラク国内にも2個飛行編隊があります。プロウラーはF/A-18に置き換えられる予定で、現在テスト中です。配備開始は2009年で、2013年には完全にプロウラーと置換されます。将来的には、この役目は無人機に置き換えられる見込みです。

 これまで、国防総省に設けられたIED対策チームが開発した妨害電波装置も大して役に立ちませんでしたし、ウッズ大佐が少しは効果があるようだと言っている間にも地上ではIEDで多くの兵士が死傷しています。陸と空の両方の装置がIEDを防ぐために使われているはずなのですが、それでもIEDによる被害を根絶することはできません。記事にもあるように、有線式の起爆装置には妨害電波は効果がないからです。どのように話を展開しても、ハイテクによるIED対策の話はここで終わってしまいます。米兵の受難はまだまだ続きます。

onlineで定期購読の申し込み!

ニューズウィーク日本版
航空自衛隊なら
Jウイング

代表的ニュース週刊誌
Time(英語版)

陸戦用車両なら
PANZER

ニューズウィーク日本版
海上自衛隊なら
Jシップス
Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.