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米軍がソマリア北部を攻撃

2007.6.4



 military.comによると、CTF-150に所属する少なくとも1隻の米軍艦船がソマリア国内のイスラム武装勢力の拠点をミサイルで攻撃しました。

 米軍が攻撃したのは港町のバーガル(「Bargaal」または「Bargal」)で、先週水曜日に武装勢力が高速ボートでやってきました。米軍は金曜日遅くに攻撃を実行しました。バーガルはソマリアから分裂した自治政府プントランド共和国の中にあります。プントランド側は米軍が攻撃を行う前に武装勢力と交戦し、5人のプントランド兵が負傷したと発表しましたが、武装勢力の被害は明らかにしていません。米国防総省も多くは明らかにしていません。

 武装勢力の数については情報が錯綜しています。地元の漁民によれば、1ダースの重武装した武装勢力が南ソマリアのラスカンボニ(Ras Kamboni)から2隻の漁船でやってきたと述べていますが、プントランド当局者は約35人とし、ラスカンボニか来たとは断言できないとしています。この程度の情報の混乱は珍しくありません。

 米艦隊は先にエチオピア軍がイスラム法廷会議を制圧してからしばらくすると引き揚げたので、今回のような移動を許してしまったのでしょう。バーガルは「アフリカの角」の先端の少し南に位置します。当然、これからしばらくは米艦隊はソマリア沿岸で艦艇の移動を監視することになるでしょう。今回の移動が南ソマリアで活動できないほど、イスラム法廷会議が追いつめられているのか、勢力を拡大した結果なのかが気になります。

 また、バーガルの市内とその周辺を攻撃したという記述も気になります。地元の報道機関は、農場が破壊され、丘の上を平らにして、数は不明ながら村民を殺傷したと報じていますが、犠牲者の人数は確認できていないとしています。この表現は多少誇張されているように思います。どれくらいのミサイルが使われたのかは分かりませんが、丘の形が変わるほどの攻撃ではないように思われます。プントランドから通告された場所に数発のミサイルを打ち込んだ程度だと考えられます。あとはプントランド軍が結果を調査し、米軍に報告するのでしょう。その際に、民間人の被害はプントランドと米軍の都合でうやむやにされるかも知れません。

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