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負傷で苦しむのは米兵だけではない

2007.5.7



 ワシントン・ポストがイラク兵も戦闘による負傷で苦しんでいる様子を報じました。

 イラク軍の負傷者は現在3,700人と記録されていますが、実数はもっと多いと考えられています。米議会は2006年4月までに33,000以上が負傷したと見積もっています。イラク軍には専用の軍病院がないので、必要な処置が受けられずにいます。米軍兵士が負傷すると、1日内にドイツの一等軍病院に、72時間以内にウォルター・リード陸軍病院に運搬されます。米兵の治療には58,000〜157,000ドルがかけられています(2006年のブルックリン研究所による)。

 負傷したイラク兵の治療は、ほとんど周囲の助けが頼りです。イラクの医師の多くが国外に脱出したこともあり、民間人の医療体制も人手不足の状態です。フセイン時代の軍病院は機能していません。本来なら、アメリカがイラクで成果をあげるのはこの分野であるはずです。日本もサマワに医療機器を寄付しましたが、それらは成果をあげているのでしょうか。すでに占領してから4年以上が経ちました。基本的な医療体制が整わないのはどこかおかしいと考えなければなりません。特に友軍のイラク軍兵士の負傷については最大限に注意を払うべきです。戦死したイラク兵がアメリカのアーリントン国立墓地に埋葬されたことがありましたが、なぜ負傷兵には何もしてやらないのかという疑問が浮かびます。

 military.comには、離婚経験がある女性兵士が戦地へ派遣される時、裁判所が親権を離婚した夫に与え、それが永続的な親権の移動になってしまうという問題を紹介しています。これももちろん悲劇ですが、イラク兵が置かれた立場に比べるとまだよいのかも知れません。

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