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イラク駐留米軍が任務延長の可能性

2007.4.11



 military.comによると、イラクに駐留する15,000人の兵士の任務が延長される可能性が出てきました。まだ、決定してはいませんが、4つの部隊と航空部隊に対して最大120日間の任務延長が検討されています。

 この理由が傑作です。先の増派以降、イラクで暴力事件が増加しているためというのです。現状の兵力レベルを夏まで維持するためには、帰国する予定の部隊を留め置くしかありません。現在、イラクには145,000人が派遣されており、米軍はこの数を維持したいのです。増派は暴力を減らすためのものであったはずですが、なぜか逆に増えているのです。これほどの皮肉はありません。昨日の州兵への派遣準備命令は、ひょっとすると任務延長になる部隊と交替するためかという気もしますが、はっきりとは分かりません。

 このサイトでは増派は問題を解決しないと言い続けてきましたが、私としては「やはり、こうなったか」という気持ちです。増派で状況が改善されると期待した人は、なぜかを考えてみる必要があります。そうしないと別の戦争でも同じ判断ミスを犯すでしょう。

 別の記事によると、パット・ティルマンが友軍に誤射された事件が議会で再調査される予定です。同時に、ジェシカ・リンチが救出された後で誤った情報が流されたことも調査の対象になるということです。これで戦死公報に関するルールが改善される可能性が出てきました。しかし、数千ページの報告書が作られ、軍の規則がちょっとだけ変更されるだけという可能性も十分にあります。いずれにしても、米議会の取り組みは何もかも後手に回っています。これでは急速に変化するイラク状勢には対処できません。戦争は行政府長の判断が大きな結果をもたらし、議会には手出しができない部分も少なくありません。現在のイラク状勢は、行政府長の選出は本当に慎重でなければならないという教訓といえますね。

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