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派遣期間後の滞留期間が短縮に

2007.4.3



 military.comによると、これまで海外派遣の間に設けられていた1年間の滞留期間が短縮されることが増えています。この記事はAP通信が配信したもので、ワシントン・ポストも同じ記事のより長文の版を掲載しています。

 第4歩兵師団は7ヶ月と少しの滞留期間だけでイラクへ戻されます。第10山岳師団は10ヶ月半。第3歩兵師団の第3旅団は1年間よりも48日間少ない滞留期間になることが決まっています。陸軍はできるだけ1年間の滞留期間を確保したいと考えているものの、そうしなければならない状況に来ていると考えています。

 なお、この記事にリンクしているオンラインアンケート「イラク派遣間の滞留期間が1年以下だと陸軍の維持に支障があるか?」という質問では、71%が「はい」、29%が「いいえ」と答えています。掲示板にはやむを得ないといった意見が見受けられます。掲示板では景気のよい発言の方が見栄えがするもので、必ずしも良質の意見が載るとは言えません。「第2次世界大戦では、一度に数年間派遣されるのが普通だった」という意見がありますが、米軍はこういう制度で数多くのPTSD患者を作り出したという研究者もいます。逆にドイツの方が兵士に定期的な休暇を与えており、こうした問題をうまく回避していたとも言われています。

 滞留期間の短縮は前から言われていたことですが、現実化が迫ってきました。滞留期間の短縮で一番気にかかるのは、こうした精神ケアの問題です。精神的な耐性には個人差もあり、単純にどれだけの休養期間を設ければよいのかは分かりません。状況がどうなるかも誰にも言えないというのが実際のところで、個人の感覚で「大丈夫」だとか「危険だ」とか論じても水掛け論に終わります。今後、PTSD患者が増加するかなどのデータに注意するしか、この問題を考える方法はありません。現状で言えるのは、PTSD患者が増える可能性があるということだけです。

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