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ティルマン死亡の事後処理に過失認定

2007.3.26



 military.comによれば、プロ・フットボール選手の身分を捨てて陸軍に志願して戦死したパット・ティルマンについて、国防総省は9人の将校に責任があるという勧告を発表しました。彼が友軍の攻撃で死亡したことは昨年ここでレポートしましたが、その調査結果が発表されたのです。

 ティルマンは2004年4月22日にアフガニスタンで戦死しました。敵と誤認されて戦死したことを陸軍は把握しますが、彼の家族に真相を説明するまでに5週間もかかりました。ティルマンを死なせたことでは、現場にいた7人の隊員が比較的軽い処罰を受けましたが、軍事裁判にはかけられませんでした。

 ティルマンの件は、これで終結することになりそうです。味方を敵と誤認するのは戦場ではしばしば起こることで、それで軍事裁判にかけたら軍の士気を損ないかねません。処罰しても軽いものに限られます。それでも、ある隊員はレンジャー部隊から別の部隊へ転属させられるなど、本人にとっては残念な処分となっています。劇映画などでもしばしば見られる光景ですが、軍が「調査中」というと、事情を知っている軍関係者は完全に口をつぐみ、分厚い報告書がまとめられるまでは何も話さなくなります。これは間違いをなくすために必要なことですが、別の間違いを生むこともあります。また、官僚組織が逃げ口上を使う時には便利なやり方です。アメリカではこの事件は話題になっていますが、テロ戦争の方向を変えるほどの影響力はないようです。皮肉ですが、同じ日には、米議会の議員が過去の名誉勲章の受章者31人と会談したという記事も報じられています。友軍の銃撃と勲章という、戦争においては対照的な出来事が並んで報じられているのは皮肉を感じます。戦争に見られる矛盾にもっと世間が目を向けてくれるようになることを考えずにいられません。

 
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