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やはり変わっていないバグダッドでのテロ攻撃

2007.3.19



 最近はイラクに関しては同じことの繰り返しで、興味を引く記事が減っています。これはかなり前からそうだとも言えますが、停滞を意味していることを示しています。military.comによれば、塩素ガスを積んだトラックを使ったテロ事件がまた起こっています。

 先日、バグダッドの治安が回復したという発表がありました。スンニ派とシーア派の殺し合いが減ったということです。そこで、米軍の戦死者について調べてみて驚きました。従来と大して変わっていないのです。globalsecurity.orgで3月の戦死者のリストを集計してみると、現在のところ53人の死亡が報告されています。この調子で行くと今月は70〜80人が死亡すると予測されます。戦死者と負傷者の割合が1対9ということを考えると、今月は630〜720人程度の負傷兵が出る計算になります。下のグラフが示すように、その内のほとんどはバグダッドとその周辺で死亡しています。集計はしていませんが、ほとんどはIEDが原因で死亡しています。つまり、部族間の対立は減ったものの、パトロール中の米兵がIEDで狙われている状況はほとんど変わっていないことになります。テロの形が変わっただけで、問題が解決されたわけではありません。現状は欺瞞された平和に過ぎないのです。なぜ、メディアがこのことを報じないのか疑問です。米軍から出てくる「テロが減った」という情報ばかり追いかけているのかも知れませんが、戦死公報を見れば状況はすぐに分かるはずです。あとは軍関係者に取材して、記事を十分なものにできるはずです。

 毎度のことですが、もうしばらくすると、この問題がメディアで取り上げられることになるでしょう。私たちがメディアを通じて事情を知らされるタイミングは常に実際より遅いわけで、軍事分析をする時はそれも計算に入れておく必要があります。いずれにしても、その時には状勢はさらに先に行っているはずです。これが政治的な動きへ影響を及ぼすのは、さらに先の話であることも考えに入れておく必要があります。

 
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