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サドル・シティが本当に欲する物

2007.3.15



 サドル・シティを掃討する兵士たちは武装勢力の抵抗ではなく、社会悪に遭遇しているようです。military.comが兵士たちの体験を報告しています。

 失業者が駆け寄ってきて「仕事をくれ」と言ったり、通りは悪臭がたちこめ、電気は連続して4〜5時間しか通じず、水道と下水道も不十分です。このため、ゴミや排泄物が家の外に捨てられ、通りはハエだらけです。このため気分が悪くなって嘔吐する米兵もいます。

 この記事を読むと、問題を解決するのは軍事的手法ではなく、政治的手法だということが分かります。これらすべての問題が公共事業により解決できます。予算さえあれば民生用インフラを充実させ、雇用問題もある程度解決できます。実は、サドル軍がそれをやって市民から支持されていることを、米兵たちも理解していると、記事は書いています。ここまで設備が崩壊した地域を完全武装の兵士がパトロールする姿はナンセンスです。イラク政府が民生用インフラの充実に成功すれば、国内の混乱はある程度は収まると考えられます。当然、武装勢力の中には新設したインフラを破壊しようとする者がいるでしょう。そうした破壊行為に対する嫌悪感が育つような宣伝活動が必要です。イラクの医療分野の人たちは優秀のようですから、活動さえ本格的になればうまく行く余地は十分にあります。

 別の記事は、米軍が掃討作戦が行われたこの1ヶ月間は成功に終わったという楽観的な報告書を発表する予定であると伝えています。殺人や処刑は50%以下に減りました。米軍は5月末までバグダッドの警戒を続ける予定です。その間に、各地に散ったテロリストたちが別の活動を始めないかが気になります。5月まで武装勢力の動向に注意しようと思っています。

 
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