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カルフォルニア大学によるPTSD報告

2007.3.14



 military.comがPTSDに関する記事を掲載しました。対テロ戦争では特にPTSDの問題が顕著です。戦死者1人について負傷者が9人もいるという異常な戦争において、PTSDへの対処は極めて重要です。2001〜2005年までにイラクで作戦に従事した米兵32,000が薬物中毒を含む精神的問題を抱え、13,200人以上がPTSDであることがカルフォルニア大学の研究で分かりました。

 今回発表された研究によると、40歳以上の熟練兵よりも18〜24歳の若い兵士が精神的問題をより多く抱える危険があります。研究は以下のような数字をあげています。

比率
内訳
私のコメント
13%
女性 女性が最前線へ行くことがまだ少ないためか?
54%
30歳以下の兵士 絶対数では若い兵士が多く、ストレスへの対処が未熟であるため
30%
マイノリティ マイノリティの方が収入が少ない場合が多いため
50%
州兵、予備役 現役兵の絶対数や任務の内容を詳細に比較すべきですが、訓練時間による発生率はあまり顕著ではないということかも


 将来この戦争は、PTSDに関する研究が大きく飛躍した戦争として記憶されるでしょう。精神性外傷から起きるPTSDのほかに、強い刺激を受けたために髄液が漏れて苦痛を引き起こす外傷性の障害があり、どちらも見た目には似ている部分もあるため、場合によっては仮病とみなされがちでした。事実、仮病を使って任務を逃れようとする者がいます。日本でも髄液が漏れる障害については、仮病と考えられていた時期がありました。この障害は激しい衝撃を受けた時に起こるので、IEDによる攻撃では特に起こりやすいものです。研究は高負荷のゲリラ戦やIEDの脅威が原因であるとしています。MRAP車を導入することで、IEDが原因のPTSDも防げるのかが気になるところです。議会では装甲強化だとか防弾ベストの話ばかりになりますが、いくら防護対策をしても被害を防ぎきることはできません。効果を生まない戦場に兵士が投入され続けていることが問題なのです。

 military.comはPTSDの特集記事も掲載しています。

 
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