米が新しい小型ミサイルの実験に成功

2007.2.21



 spacewar.comによれば、ロッキード・マーティン社は、イグリン空軍基地で小型運動エネルギーミサイル(the Compact Kinetic Energy Missile: CKEM)の実射テストに成功しました。標的になったのは改良型リアクティブ装甲を装備したT-72戦車で、射程は3,400mでした。実験の目的はすべて達成され、ミサイルの飛行データも収集されました。

 T-72の正面と側面のどちらを狙ったのかは分かりませんが、おそらくは正面の装甲を破壊したのでしょう。そういう実験でないと意味がありません。このミサイルは開発中止になったMGM-166 LOSATの代わりに開発された兵器です。LOSATの欠点の一つはその大きさ(2.85m)と重量(77kg)でした。CKEMの全長は1.52m、重量は45.4kgと、かなり小型化に成功しています。LOSATの射程は4km以上ですが、3,400mでも十分です。化学エネルギー弾であるHEATは改良型リアクティブ装甲に対して効果が薄いと言われており、それを解決するために開発が進められていました。

 要するにハイテク戦車を持つ大国との戦争用の兵器です。対テロ戦争には出番がないでしょう。攻撃用だけでなく防御用にも使えるので、陸上自衛隊の関心をひく可能性があります。従来の誘導ミサイルよりも遙かに高速で、敵が回避する時間を与えないところが魅力に感じられるでしょう。当然、ロシアはレーザー砲を開発して、飛んでくる対戦車ミサイルを撃墜しようとするでしょう。兵器の開発レースは際限がないものなのです。

 
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