2週間で4機の米軍ヘリが墜落

2007.2.5



 military.comによると、民主党のヒラリー・クリントン氏は、2009年に大統領になったらイラクの戦争を終わらせると公約しました。ブッシュ政権はおいしいところを民主党に持って行かれないようにするために、任期中に戦争をできるだけ整理して、終わらせてしまいたいと思うでしょう。こうした流れはどんどん加速していきますが、どこまで進展するかに注目しています。ベトナム戦争の時も激しい反戦運動が起こりましたが、今回はこの時よりも早く、程度も大きいところが特徴的です。世の中のサイクルが次第に早くなっているのでしょう。

 同紙によれば、また米軍ヘリコプターが撃墜されました。これで2週間に4機が墜落したことになります。今回墜落したのはアパッチ攻撃ヘリコプターで、地上からの銃撃によって墜落し、乗員2名が死亡しました。目撃者によると、銃撃を受けたアパッチは爆発し、火の玉になって墜落したといいます。ヘリコプターはミサイルなどの攻撃には対抗手段を持っていますが、地上からの銃撃には弱いものですが、空中で爆発した事例はそれほどないはずです。軍用ヘリコプターは損傷しても、すぐに墜落せず、軟着陸して乗員を保護する程度の強度は持たされているはずです。爆発したのは、運が悪かったのか、ヘリコプターに問題があったのかのどちらかでしょう。

 イラク侵攻作戦の終了が宣言された2003年5月以降、アメリカはイラクで約50機のヘリコプターを失っており、その半分は武装勢力の攻撃によるものです。それに比べて、2週間で4機の撃墜(20人死亡)は多すぎます。爆弾テロは大きく報道されるので、最近の活性化は誰でも分かりますが、米軍に対するテロはごく僅かしか報じられません。しかし、米軍に対する攻撃も活発化していると見るべきです。おそらく、もう少しすると状況が明らかになってくるはずです。

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