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帰国するイラク人が急増

2007.11.24



 ワシントン・ポストによれば、イラクに帰国するイラク難民が増えています。毎日、数百人が帰国するようになり、2006年2月以来最大となっています。しかし、難民の大部分は未だに隣国に留まっています。

 国連難民高等弁務官によれば、先月はシリアから45,000人のイラク人が帰国しました。同じ時期、イラク当局者は毎日1,000が帰国したと主張します。バグダッドでは再開した店が増え、治安が向上しています。その一方で、暴力事件も起きており、記事にはいくつかの実例が載っています。

 一年前は難民の流出が続いていましたから、それと比べると事態はよい方向へ向かっているように見えます。帰国者が増えた理由はテロ事件の減少でしょうが、この状況が果たして永続的に続くのかは分かりません。そうすると、テロ事件が増加した場合、人口が増えた分、治安維持は難しくなります。イラク国内には大勢の国内難民がおり、彼らが武装勢力に転じる可能性もあります。テロが減少した原因が分からないので、帰国者の増加がどんな意味を持つのかも図りかねる部分があります。

 テロが減少した理由として、デイビッド・ペトラエス大将がシリアの努力をあげています。spacewar.comによると、シリアは軍務に適した年齢の男性が片道航空券でダマスカスに移動するのを厳しく制限しているということです。多くの武装勢力がダマスカスからイラクに移動するため、これによってイラクのテロ事件が減るというわけです。さらに、通関手続きを取り締まることで、密輸を減少させているということです。しかし、ごく最近まで、アメリカがシリアをテロリストの経由地だとして、シリア政府を批判するのを耳にしていました。それが急にシリアの尽力が認識され、ここ半年ばかりのテロの現象に効果があったと言われるのは少々疑問です。


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