米議会予算局が将来の戦費を予測

2007.10.26



 米議会予算局が、また対テロ戦争に関する数字を公表したとmilitary.comが報じました。しかし、ブッシュ政権はこれを「推測だらけ」として無視する方針です。

 米政府は、これまでに390億ドルの外交交渉や海外援助を含めて6,040億ドルを使いました。今後、イラクとアフガニスタンにいる兵士を6年間かけて75,000人に削減したとすると、軍事と外交の作戦に1兆ドル以上の費用がかかり、2017年までの戦争に支払われる利子払いが7,050億ドルになると見積もりました。合計で2兆4,000億ドルがかかると見込まれます。ちなみに、ブッシュ政権は、今会計年度のために1,964億ドルを要求しています。ホワイトハウスの報道官ダナ・ペリノのコメントがふるっています。

我々は、将来、この戦争にどれだけの費用がかかるかを知らないのです。
(We don't know how much the war is going to cost in the future.)

 ホワイトハウスが言うとおり、こうした見積もりは推測の塊です。しかし、見積もりと実際の数値は、後者の方が多くなりがちなのも確かなのです。特に、この戦争ではMRAP装甲車など、高額の兵器が次々と投入され、費用がかさんでいます。見積もりにつきものの推測を理由に無視するのは危険です。戦争計画すら推測抜きに語ることはできません。2003年までは年間の対テロ作戦の費用は480億ドルでした。対テロ戦争予算は2004年会計年度に急増しました。当初870億ドルが要求されましたが、直後にさらに350億ドルが追加され、合計1,220億ドルとなりました。それが2008年会計年度では1,964億ドルまでに膨れあがっているのです。今後、費用はさらに増えると考えるのは当然です。こういう状況で「推測だらけ」を理由に見積もりを否定することは不合理です。いまホワイトハウスにいる者は、聞きたくないことは信じないのです。


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