トルコ軍が掃討作戦を継続中

2007.10.25



 military.comによると、トルコ軍は着々とイラク領内への侵攻を実行中のようです。本格的な攻撃はまだ始まっていませんが、その徴候は明らかになっています。

 トルコ南部のディヤルバクル(Diyarbakir)の空軍基地からF-16戦闘機や攻撃ヘリコプターが飛び立つのが確認されています。これらは山岳ルートを爆撃したと発表されています。日曜日に、攻撃ヘリコプターの「コブラ」や「スーパーコブラ」がクルド人武装勢力を追い立てて、イラク領内に3マイル入り込みましたが、12人が死亡した待ち伏せ攻撃が起きたあとで帰還したとのことです。砲兵隊もイラク領内を砲撃し続けています。BBCニュースの映像を見ると、長距離を撃てる120mm級の迫撃砲が設置されているようです。1ダース分の輸送ヘリコプターがクディ山(Mt. Cudi)に沿って飛行し、イラクに接近するのが確認されています。航空機はジズレ(Cizre)でも確認され、ジズレの東30kmの地点では戦車大隊が演習を行っているのが確認されています。クルド側も動員を開始しており、ダフーク(Dahuk、地図上ではDihok)に100人の赤ベレー帽の兵士がいるのが確認されています。

 これらのことから分かるのは、トルコ軍は空と陸の両方からPKKを掃討しようとしているということです。空爆だけでなく、戦車などの戦闘車両を使うことも想定しています。現在はまだ初段階で、事前に分かっている目標を攻撃したり、偵察部隊を使って山岳ルートやキャンプを確認しているところです。十分な情報が集まれば、本格的な攻撃を一気にかけて、PKKの拠点を殲滅します。「空爆のみ」などというトルコ政府の方便を信用しては行けません。答えのすべては戦場にあるのです。当サイトで、しばしば地図を掲載するのは、地図から戦況を読み取る能力を読者に身につけて欲しいからです。

マップは右クリックで拡大できます。


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