サンチェス中将の発言は賛否両論

2007.10.17



 military.comによると、先日のリカルド・サンチェス中将の発言に対して、現場の兵士から不満が噴出しました。しかし、ある一点に関しては、批判されませんでした。

 ブランドン・クルッペッパー三等軍曹(Sgt. Brandon Culpepper)は、「(サンチェスは)すでに宣誓をした兵士ではないから言いたいことを言え、ここにいる兵士と全世界がそのために代償を支払う可能性があるのを分かっていながらも安眠できるのか? 彼が現役中に言いたいことを我慢する能力があったのなら、なぜ彼はまだイラクで任務に就く者たちに多大な配慮をしないのか。もっと舌を噛んどけ!」とスターズ・アンド・ストライプス紙に投稿しました。

 一方、レス・イーグル海軍少佐(Lt. Cmdr. Les Engle)は「終わりが見えない」という部分には同意しました。彼は2年前にブッシュ政権が出版した「イラクで勝利するための国家戦略(National Strategy for Victory in Iraq)」を引用し、現状が「イラクが平和で、統合され、安定し、安全で、国際社会に十分に溶け込んでおり、テロリズムとの国際的な戦いの完全なパートナーである」という長期的な目標にほど遠いことを指摘しました。

 興味深いことに、米軍とホワイトハウスが、イラクのアルカイダ組織は勝利宣言を出せるまでに大きな打撃を受けたと考えているという報道もあります。過去3ヶ月間にテロ組織は大きな打撃を受け、今年1月に自爆攻撃が60回以上あったのに、7月には約30回までに減ったことを根拠にしています。しかし、政府内部には、これがいつまで続くのかが分からないという意見があるのです。私は、これまでも米政府が「テロが減った」と何度も発表しながら、それを否定せざるを得なくなることの繰り返しにより、米政府の発表が信頼性を失ったことを指摘せざるを得ません。この程度の数字の上限は不思議には思えません。これで勝利宣言を出せるとは考えられません。


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