ナジャフにスンニ派武装勢力が進出

2007.1.29



 military.comによれば、ナンシー・ペロシ下院議長がイラクを訪問することになりました。別の記事によると、ワシントンでは約10万人のデモ行進が行われました。映画界からも、ジェーン・フォンダ、ショーン・ペン、スーザン・サランドン、ティム・ロビンズなど、リベラル派で知られる面々が参加しました。

 当面、こうした大統領の増派政策に対する反対運動の話を聞くことになります。こうしたプロセスは苛々するものですが、次の大きな変化までの足踏みと割り切って冷静に見るべきでしょう。

 ワシントン・ポストによれば、ナジャフで米軍に支援されたイラク軍がヤシ果樹園で武装勢力と戦いました。武装勢力は350〜400人で、外国人勢力とスンニ派の合同部隊だということです(CNNは600人と報じています)。アルジャジーラによれば、武装勢力の250人以上が殺害されました。また、米軍のヘリコプターが又撃墜され、死者が出ました。どうやら、武装勢力は対空兵器を豊富に持っているようです。

 ナジャフはかつて陸上自衛隊が駐屯していたサマワとバグダッドの中間地点にあります。こうした南部にもスンニ派が活動範囲を広げていることが分かります。バグダッドのテロも活発で、女子学生5人が迫撃砲で命を落としたほか、様々なテロ事件が起きています。

 米国内での反戦運動とイラク国内のテロの激化はこれからの半年〜1年間のルーチンとなるでしょう。次の転機が何で、いつ起こるかが気になります。イラクはイランだけでなく、シリアにも後方支援の拠点があり、これらの実態は明らかではありません。下の地図はバグダッドの勢力分布図です。米軍とイラク軍の基地が各所にあるのに、テロを防げていない状況がよく分かります。この状況下へ隣国から武器が運び込まれているのでは、増派でどうにかできるものではないことが分かります。

地図は右クリックで拡大できます。
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