イスラム法廷会議の指導者がケニアに投降

2007.1.23



 ワシントン・ポストによれば、ソマリアのシャリフ・シェイク・アメッド首長(Sheik Sharif Sheik Ahmed)がケニアに投降した模様です。アメッドはイスラム法廷会議の指導者の一人で、本人は否定していますが、アメリカがアルカイダとのつながりを指摘する人物です。彼は現在、首都ナイロビに移動され、保護下にあるとのことです。今のところ、イスラム法廷会議の大きな反撃は起きていないようですが、部分的な少数の降伏は確認されていますが、大量の降伏はまだないようです。イスラム法廷会議のメンバーが逃走したのか、どこかに潜伏しているのかは分かりません。幸いにも、アフリカ連合が8,000人の部隊を送る都合がついた模様です。このままイスラム法廷会議を完全に駆逐することができるかも知れません。

 良い方向に向かっているように見えますが、まだ安心できない気持ちです。アフリカのように人口が比較的少なく、居住地が限定され、それほどハイテク兵器を持っていない地域は、未だに地政学的な発想でしか見られないところがあります。大国はアフリカの地下資源にしか興味がなく、そのためにアフリカ諸国を陰から操ったり、直接介入してきました。その結果、様々な紛争が起きてきました。今回のエチオピアの介入はうまく行ったよき前例となるべきです。最近、モガディシュをイスラム法廷会議から奪取した戦いが「偉大な4日戦争(Great 4 Day War)」と呼ばれるようになりました。エチオピアのゼナウィ首相が命名した名前です。この戦いが、アフリカへの武力介入は過激主義者の掃討に限定するという国際的な合意へつながることを希望します。そして、具体的な条約となって結実する方向へ向かって欲しいものです。

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