モガディシュ市内で小競り合い

2007.1.16



 モガディシュ市内でテロ事件が起きたと、ワシントン・ポストが報じました。

 市内のフルワ(Hurwa)地区でRPG4発が発射され、軍用車が破壊され、銃撃戦が30分間続きました。目撃者はエチオピア軍の車両が攻撃されて炎上するのを見たといいます。ソマリアとエチオピアの軍隊は武装勢力を探して、家宅捜索を行いました。

 同時に、3つのラジオ局とアルジャジーラの支局に無期限の閉鎖命令が出されましたが、大きな混乱は起きていないようです。実は、1993年6月5日、国連軍としてソマリアに来ていたパキスタン軍がアイディード将軍のラジオ局を立ち入り検査したために暴動が起こり、パキスタン兵24人が殺されています。アイディード将軍がラジオ放送を使って大衆を扇動している疑いがあったためですが、ソマリア人はそう受け取りませんでした。理由も示さずにメディアに閉鎖命令を出したのは問題ですが、過去の歴史を踏まえての措置かも知れません。しかし、メディアを遮断した上で政府が不法な弾圧を行わないように、国際社会が監視する必要があります。こういう事実は認識されても、政府レベルで国際的な監視の動きが起こらないのが現在の国際政治の問題点だと思います。しかし、大きな暴動が起きていないのは、好材料として見てよさそうです。

モガディシュ市内
右クリックで拡大できます。
Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.