ソマリアは比較的平静の模様

2007.1.15



 ワシントン・ポストによると、ソマリアに対して、アメリカと欧州連合が財政援助を申し出ています。アフリカ連合の代表団がモガディシュを訪問するなど、ソマリアの安定化に向けた動きが続いています。8,000人が必要とされる軍事支援は、ウガンダが1,500人を派遣すると約束した以外、まだ決定に至った国は出ていません。ソマリア政府はモガディシュの武装解除を試みているようです。ソマリア政府は住民の家から銃器を没収していますが、大きな混乱は起きていないようです。ソマリア軍、エチオピア軍のいずれかは分かりませんが、子供が石を投げつけても兵士は無視したといいます。ケニアのビジネスマン4人がテロリストと誤認逮捕される事件も起きていますが、イスラム法廷会議側の大きな動きは起きていないようです。

 このままソマリアが安定することを願います。本来、こうした活動にアメリカが本腰を入れ、テロリストの温床を消していくことこそ重要です。「テロは貧窮の産物」というのは軍事の常識です。経済支援やインフラの充実で社会的な不満を蓄積させないことが重要です。政府内にこれを担当する部署を設けるべきと思いますが、総理や内閣にそのような指導力は見出せません。間違っても、「世界中のテロ組織を先制攻撃で殲滅する」といった途方もない目標を立てたりしないことです。日本がこんな目標に追随したのは本当に滑稽な話でした。

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