やはり、ソマリア空爆に地上軍あり

2007.1.13



 ワシントン・ポストが欲しかった情報をくれました。やはり、ソマリアの空爆のあとで、死体を確認するために小規模な部隊(多分、特殊部隊や検死の専門家と想像します)がバドマンドゥ島に入っていました。特殊部隊が生存者による反撃を警戒するために島全体を捜索し、それから検死の専門家が死体を調査したはずです。

 テロ容疑者の死亡が確認できないのでは、攻撃を行う意味はありません。死が確認されるまでは、活動が確認されなくても容疑者は生存していると考えるしかありませんから、アメリカとしては死体を確認しないわけにはいかないのです。

 捜索の結果、米軍は武装勢力8〜10人が死亡したことを確認しましたが、価値の高い目標を殺害した証拠は得られませんでした。しかし、イスラム法廷会議の軍事部門の指導者アデン・アイロゥ(Aden Ayrow)がその場にいた証拠が見つかりました。イスラム法廷会議とアルカイダの結びつきを示す証拠が出ただけでもよかったと考えるべきでしょうか。記事は侵入したチームが退去したかどうかは不明としていますが、情報筋がこの事実を記者に話したのなら、すでに現場を立ち去ったのです。また、ガンシップはジブチの基地から飛来したということも明らかになりました。

 まあ、こんなもんだと納得できる結果です。居場所が明確ではないとか、確実に視認できない目標への攻撃の成果は、この程度です。とにかく、当初報じられたものと違い、米軍が軍事常識に基づいた作戦を行っているのに安心しました。しかし、この作戦はソマリアの安定化とは別の理由で行われており、ソマリアの安定化には大して貢献しないことも忘れるべきではありません。

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