米軍の同性愛者解禁は本気の兆し

2007.1.7



 どうやら、軍は本気で同性愛者の規制を緩和するつもりのようです。

 先日の元統合参謀本部議長の発言に続いて、軍が発行する「スターズ・アンド・ストライプス」紙が、米軍人に対して行われた世論調査の結果を発表しました。この調査結果は元統合参謀本部議長が発言の中で引用したものと同じです。彼の発言は私的なものとは考えにくかったので、一種の観測気球であった可能性が高いと思っていましたが、今度はS&S紙への記事の掲載です。これは、段階的にこの問題に慣らしていき、最終的に法改正が計画されているのだと考えられます。現役ではなく退役した統合参謀本部議長が発言したのは、急激なショックを与えないための工夫だと考えられます。

 昨年10月に3日間行われたオンライン調査において、545人の現役隊員の23%が「自分が同性愛者と一緒に勤務していることを知っている」と回答しました。「同性愛者が公然と軍に勤務することを認めるか」という質問には37%が反対で、26%が賛成と答えました。「軍が同性愛者を差別することをどう思うか」という質問には、30%が間違っていると回答しました。(グラフはこちら

 あくまで副産物的な現象ですが、軍が差別の防波堤になる場合があります。いまや女性が軍のかなりの分野に進出していますが、かつては考えられなかったことです。同性愛者の規制を解除することで、どのような変化が生まれるのかを見守っていきたいと思います。

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