「シンジラレナ〜イ」ような本当の話

2006.12.23



 ミサイル防衛が思わぬところでつまずいた話を、テクノロジー・ウォッチが報じました。あまりにも初歩的なミスで、語るべきこともないのでコメントは避けますが、簡単に説明します。

 洋上設置型のXバンド・レーダーは、二隻の船を組み合わせたようなフロートの上に、レーダー施設が乗っかっている構造です(記事に写真があります)。75名の乗員や燃料の補給のためにヘリポートも装備しているのですが、米軍も沿岸警備隊もこのヘリポートに着陸できるヘリコプターを持っていないことが明らかになったのです。そこで、クレーンで吊り上げる方法に切り替えたのですが、母港となるアラスカの港は年中波が高く、クレーンでも補給物資を搬入できないことが分かったというのです。

 昨日も書いたとおり、Xバンド・レーダーはミサイルの形状まで判別できるというミサイル防衛の中心的な戦力です。それが、初歩的な設計の問題で使えなくなるというのです。笑うのを止めて真面目に考えると、(1)民間のヘリコプターを使うとか、新規の装備として追加する、(2)不便でも海が穏やかなもっと南の港を使う、などが考えられますね。

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