北朝鮮が核実験場の封鎖を提案?

2006.12.14



 今朝、北朝鮮が中国に、六ヶ国協議で核実験場の封鎖を提案しているという報道がありました。これには少し驚かされたのですが、これを経済制裁の成果とみなすのは早計と思われます。

 1998年5月30日に行われたパキスタンのプルトニウム型原爆の起爆実験(12Kt規模)は、北朝鮮の代理実験で、この実験では起爆に成功しているのだから、北朝鮮はすでにプルトニウム型原爆の製造に成功しているという見方が、アメリカにはあります。だから、北朝鮮国内の核実験場を封鎖しても核戦力を放棄したことにはならないかも知れません。北朝鮮には未使用の地下実験施設がまだ3カ所残っています。これらを閉鎖するのは、それほど痛手にはならないと考えることは可能です。

 当面の経済問題を解決するために、核実験場を犠牲にするのは、それほど悪い取引ではありません。核戦力はアメリカの侵攻を防ぐために、北朝鮮は最後まで手放さないでしょう。六ヶ国がやるべきなのは、この北朝鮮の申し出を真に受けず、あくまでも実効性のある核廃棄、拉致問題の解決を狙うことです。

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