ベイカー委員会の報告書が公表される

2006.12.7



 ベイカー委員会がようやく討議の結果を公表しました。報告書の全文はワシントン・ポストでダウンロードできます。国内メディアはその概要を報じていますが、英文で96ページの報告書は、1ページあたりの文字数がそれほど多くはないとはいえ、結構なものです。うまく要約できているのかを判断するには、全文を読んでからにしたいと思います。そこで、まず12月6日の記者会見の記録を読んでみることにしました(読む時間があるかどうか分かりませんが)。しかし、この報告書は予想されたものと大差ないようです。イラク政策は身動きが取れない状態なのです。ブッシュ政権が任期を終えるまでに多くを片づける以外、できることはありません。

 読んでいたらちょっと体調が悪くなったので、中止しました。すみませんが、冒頭部分だけを掲載します。



出席者
ジェームズ・ベイカー議長
リー・H・ハミルトン 副議長
ウィリアム・ペリー委員
サンドラ・デイ・オコーナー委員
エド・ミース委員
レオン・パネッタ委員
チャールズ・S・ロブ委員

ハミルトン おはよう。今朝早く、イラク研究グループの報告書をブッシュ大統領と合衆国議会の議員に対して公開しました。

我々はアメリカ国民に対して我々の報告書を公開することを嬉しく思います。報告書は10人のメンバー全員の意見を反映しています。

イラク研究グループを代表して、ジム・ベイカー氏と私は当研究グループを立ち上げることを提唱したフランク・ウルフ下院議員、ジョン・ワーナーとジョー・ベイデン両上院議員、クリス・シェイズ下院議員、我々の努力を支援してくれた方々に感謝を申し上げます。そして、もちろん、我々は連邦議会の両議会、両陣営すべての議員すべてに感謝を申し上げます。

私はジム・ベイカー氏に、彼の並はずれた指導力に対して感謝したいと思います。彼と共に働くことは、私にとって個人的な名誉となりました。

そして、もちろん、非常によく働き、この報告書をサポートするために参加したイラク研究グループの全メンバーに感謝を差し上げたいと思います。

イラクの状態は重大で、そして悪化しています。暴力は範囲と死亡率が増加しています。米軍への攻撃と米軍の死傷者は驚くべき率が継続しています。イラクの人々は厳しい苦難をこうむっています。

サダム・フセインに取って代わった民主的に選出された政府は、国民の和解、基本的な安全保障の提供、必要なサービスを提供すること、鍵となる問題を十分に前進できていません。

ハミルトン 経済の発展は阻害されました。

最近のアプローチは機能していません。そして、事態に影響を及ぼすアメリカの能力は減少しています。

アメリカは莫大な資源を投じてきました。我が国は2,900人近いアメリカ人を失い、21,000以上を負傷させました。アメリカは見積もりで4,000億ドルをイラクに費やし、経費は1兆ドルを大きく上回りました。

多くのアメリカ人は理解しがたい不満を抱いています。

我が国は荒海にぶつかったのです。新しい進路を示すべき時です。

イラクでの行動方針がカオスに向かうのを止める保証はありません。我々の考えでは、まだ、すべての選択肢は使い尽くされてはいません。

ブッシュ大統領が明言する、イラクは自分で統治でき、自分で安定し、自分で防衛できるという、アメリカのイラクでの政治目標に、我々は同意します。

ハミルトン 我々はその目標を追求する新しいアプローチを提唱します。我々は確実な移行を提唱します。

我々の3つの最も重要な提唱は、同様に重要でお互いを補強するものです。

第一に、米軍のイラクでの主要な任務を、アメリカが戦闘部隊をイラクから確実に移動できるようにするよう変更します。

第二に、イラク政府に、特に国民の和解で画期的な出来事を成し遂げるよう推進します。

第三に、イラクと中東地域で新しく拡張された外交と政治努力を行います。

アメリカはイラク人に自分の運命に対して責任を持つようにしなければなりません。この確実な移行はイラクにいる米軍の戦力を長い時間をかけて減少させます。

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