米海兵隊が増員か?

2006.11.24



 military.comによると、米海兵隊は、その規模を従来の180,000人体制からさらに増やしたいと考えているようです。ジェームズ・コンウェイ大将は、増加するのは一年につき1,000〜2,000人とし、平時には元の大きさに減らすべきだといいます。それにより、イラクに7ヶ月間派遣し、本土で7〜9ヶ月間というローテーションを引き延ばし、派遣期間の2倍の期間を本土で過ごせ、7ヶ月間派遣なら14ヶ月間は本土というペースにできるため、兵士のストレスを緩和できるといいます。今のところはコンウェイ大将の談話のみですが、これが政治レベルでの議論になるのかは注目すべきです。marinecorps timesには、退役したマイク ・ハッジ大将は今年早くに、5,000人の恒久的な増員を口にしたと書いています。

 海兵隊にとっても、イラク派遣はかなりの負担となっていることが窺えます。アメリカがこうやってもがいている間に、イラクは内戦が激化しています。政策変更を決めたのに、アメリカは中間選挙後、「イラクは内戦状態にある」と明確に宣言していません。誤りを認めたがらないアメリカ人の悪癖が問題の先送りに手を貸しています。バグダッドの連続爆弾事件で約150人が死亡した事件を見ても、スンニ派がシーア派の居住地で事件を起こすようになっており、先日の大臣誘拐未遂事件のように、シーア派の支配地域でもテロ攻撃が起こるようになっています。カタストロフは目の前です。しかし、アメリカはその民主主義的な手続きを経る必要上、急速な事態の変化についていけません。アメリカに従うだけの日本は、すでに棒立ち同然で、中東問題に何の影響力も及ぼせていません。石油資源に依存する国としては不相応な話です。

 ちなみに、military.comによると、バグダッドで爆弾事件が起きた感謝祭の日、ディック・チェイニー副大統領がバグダッドを訪問したとイラク国営テレビが報じました。米当局はこの件について否定も肯定もしていません。事実とすれば、副大統領は上級幹部とだけ面談したのでしょう。

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