中国潜水艦接近事件の続報

2006.11.16



 中国潜水艦の米空母への異常接近について、ワシントン・タイムスが続報を報じました。

 中国政府の外務省報道官は、ワシントン・タイムスの質問に対して、そうした事件は報告されておらず、知らなかったと述べました。一方、米軍関係者は、中国潜水艦が米空母の追跡演習を行ったと考えています。また、読売新聞が報じたファロン司令官の発言は、実際にあったようです。彼は、中国潜水艦が告知なしに空母からごく近くに浮上するのは危険だと言っています。また、彼は、事件当時、キティホークは演習中だったが、対潜水艦作戦は行っていなかったものの、その最中に潜水艦が浮上したら予測できないことに発展したかも知れない、とも言いました。この発言には、失態から目を逸らさせたいという心理が働いているようにも受け取れます。

 キティホークが行っていた演習の内容も気になりますが、いずれにしても艦隊は24時間、周囲を監視できなければなりません。キティホークだけでなく、空母群の艦船すべてが探知できなかったことには、何らかの理由があるはずです。ソナーの記録は、さらに調査され、中国潜水艦の動きを解析しようとするはずです。

 余談ですが、空母がらみの話題を追加します。海洋航空宇宙博物館として使われていた空母イントレピッドは、修理のために移動しようとしてハドソン川の泥に捕まって立ち往生していましたが、military.comによると、未だに動かせないようです。現在、海底の調査が行われているとのことです。

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