北朝鮮の核実験:中ロは制裁に原則賛成

2006.10.11

 北朝鮮の核実験に関する情報はほとんど出尽くしたようです。本当に核爆発であったかを含めて、まだ確認は取れていません。アメリカは地震源の発生位置を、北緯41.311度、東経129.114度と発表しましたが、日本政府は震源地の位置は公表していないようです。その他の情報は報道機関の情報を参照して下さい。

 中国とロシアが北朝鮮の制裁に賛成したことははじめてで、前進といえます。あとは、制裁の内容が焦点となります。中国がどこまで厳しい制裁を容認するかが非難決議のポイントになります。

 意外なことに、イランが北朝鮮の核実験を非難しました。核能力の共同開発が疑われているイランは、今回は沈黙を守ると想像されました。しかし、この非難声明は、自国の核開発を平和目的のみと言い続けるための虚言と考えた方がよさそうです。パキスタンがいち早く声明を出したのは、せっかくテロ支援国家の烙印を外せたのだから、この機会に北朝鮮とは一線を画しておきたいということでしょう。特に、北朝鮮が技術や設備をパキスタン経由で入手したという疑惑を払拭したいのだと考えられます。

 globalsecurity.orgは、そのパキスタンに疑惑を向けています。通常の地下核実験では50〜60km四方の土地を必要とします。さらに、北朝鮮は地下水が豊富で、地下核実験を行えば地下水を汚染し、朝鮮半島や日本海を汚染する危険性があります。そうした危険を避けるなら、パキスタンの山岳地帯で共同実験をやった方がよいと考えるのではないかという仮説です。

 話がずれますが、10日に放送されたアメリカのABCニュースの中で、「日本は憲法で原爆の所持を禁じている」と説明していて驚きました。そんな規定が日本国憲法の中にないことは、日本人なら大抵知っています。以前にも、交戦規定に関する法律を解説した英文の中で、「日本は憲法の規定により、攻撃的な軍事行動を禁じている」と書いてあるのを見つけて驚いたことがあります。御存知のように、憲法が禁じているのは交戦権と軍隊の所持であり、攻撃の内容に関する規定はありません。

 と書いていたら、北朝鮮が2回目の核実験をやったという情報が入ってきました。今後の情報に注目しましょう。

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