アフガン増派は米が負担

2006.9.29

 military.comの記事によると、アフガニスタンへNATO軍が増派を拒んだ件は、「やはり、そうなったか」という展開になりました。結局、米軍が12,000名を派遣し、NATO軍の指揮下に置くことになったのです。どこも兵を出せないという以上、アメリカが自分で出すしかないのは当然です。米軍が自国の軍隊を外国の指揮下に置くものとしては、戦後最大規模になったと記事は伝えています。数週間の内に増派は実施されます。

 これで、アフガニスタンには20,000人のNATO軍、21,000人の米軍がおり、さらに12,000人の米軍が追加されて、総計53,000人となります。見かけ上はNATO軍の方が多いのですが、実態は米軍という構図ですね。新しく派遣することでかかる費用、物資、兵士の給与への増額など、アメリカの負担はさらに重くなります。それを減らすためのNATO軍でしたが、自分のところへ跳ね返ってきたというわけです。対テロ戦争は、ベルリンまで進撃すれば戦いが終わるというタイプの戦争ではないのです。

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