北朝鮮がカーン博士から遠心分離器を入手

2006.9.27

 毎日新聞によると、パキスタンのムシャラフ大統領は新著「イン・ザ・ライン・オブ・ファイア(非難にさらされて)」のなかで、北朝鮮がパキスタンの核開発の父とされるカーン博士からウラン濃縮用にP2型遠心分離機など約20基を提供したと書いているそうです。

 北朝鮮が遠心分離器を手に入れていることが国家元首の立場から明確に示されたことも驚きですが、ムシャラフ統領がアーミテージ氏の「石器時代」発言を暴露したのは、この本にアメリカ人の関心を集めるためだったことは間違いがないと思いました。発言がブッシュ大統領との会談の直前だったこともあり、真意をはかりかねる部分がありましたが、これですっきりした気分です。あまり気にする必要もなかったようです。

 そのアーミテージ氏は「北朝鮮が年内に核実験を行う可能性は半々」と発言しています。本当に核実験が行われたら、日本のミサイル防衛に対する期待は益々高まるでしょう。かつて防衛庁内にも、ミサイル防衛に対しては懐疑的な声もあったと聞いていますが、現在はどうなったのかが気になります。私はミサイル防衛や現在の国民保護法では、十分に国民を守れないと考えています。ここ数年が北朝鮮の核問題の正念場になりそうです。そのポイントは北朝鮮の耐久力にありますが、北朝鮮は危機的状況と言われてから久しく、限界点がどこにあるのかが見えてきません。正直なところ、北朝鮮はもう崩壊してもおかしくないので、中国筋からの支援でつないでいるのかと考えざるを得ません。それがどの程度なのかがはっきり分からないのがジレンマです。

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