軍隊のテーマパークに米陸軍が協力

2006.8.9

 アメリカで信じられない企画が持ち上がっています。軍隊をテーマにしたテーマパーク建設の構想が持ち上がっているのです。陸軍はこの企画に賛同していて、陸軍博物館を現在のフォート・ベルボイアからテーマパークを建設するに十分な場所へ移転する予定です。建設予定地のフェアファクス郡当局は、すでに建設予定地周辺の道路が混雑していることを理由に計画に反対しています。

 このテーマパークには4Dライドなどが設置され、M-1戦車を操縦したり、空挺隊員になって降下を体験したり、攻撃ヘリコプター・コブラを操縦したり、B-17の機銃手になったりできるということです。ホテルも併設され、お酒を飲めるバーも用意されます。その中には「1st Division Lounge」(第1師団のラウンジ)という名前の店もあるとか。

 アメリカが現在どういう状況に置かれているかも考えず、馬鹿げた企画を考えたものだと思います。呆れて物が言えないのが正直なところですが、指摘すべきことはあります。テーマパークは客にスリルを味合わせますが、同時に安全第一で運営されます。危険な戦場を自分には被害が一切及ばない環境で体験させる戦争テーマパークには、むしろ戦争を誤解させる恐れがあります。映画の場合、戦争の危険性を観客に訴えることができますが、テーマパークにはそれがありません。特に、テーマパークは誰にでも気軽に楽しめる必要があり、簡単な説明だけで楽しめるアトラクションしか作れません。そのために、実戦の大幅な単純化が行われ、戦闘の実際を体験する施設を作るのはほとんど無理です。

 この企画が中止になることを望みます。

(ガスパーチョさんから、陸軍の担当官がこの件を却下したとのご指摘を頂きました。詳しくはガスパーチョさんの投稿をご覧ください)

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