港町ティールに空挺部隊が降下

2006.8.7

 昨日の報道を見ても、イスラエル軍がどこまで進撃しているのかは断片的な情報しかありません。それから状況を推測すると、戦線は少ししか動いていないようです。

 BBCによると、東部のタイベ(Taibe)で、ヒズボラの迫撃砲によりイスラエル軍兵士1名が死亡しました。タイベはすでに占領して、部隊は先へ進んでいるはずですが、依然としてヒズボラ兵が隠れており、迫撃砲を正確に誘導できる状況のようです。

 イスラエル軍は港町ティール(Tyre)の北に空挺作戦を行いました。この目的は、ヒズボラのミサイル攻撃拠点を奪うためとイスラエル軍は主張し、住居を攻撃したことしか分かりません。しかし、海路で部隊をティールへ運ぶためという理由もあると考えるべきです。こうした作戦は、地上戦がある程度進んでから、実施されるものです。「ある程度」というのは、3日程度で海岸線を進撃しているはずの地上軍がティールに到着して、空挺部隊の補給が切れる前に合流できるという意味です。ティール港を奪取すれば、地上軍が来なくても補給は確保できますが、慎重なイスラエル軍は地上と海路の両方で補給するつもりだろうと推測できます。空挺部隊の規模。降下した空挺部隊が攻撃後、ヘリコプターで帰還したのか、ティールに留まっているのか。こうした情報を知りたいものです。

 農場を空爆した件は、果物と野菜の倉庫が対象だったようです。倉庫の場所は分かっていません。予想通り、イスラエル軍はヒズボラの武器が搬入されていた疑いと主張しました。ただ、現在調査中でもあり、今後何らかの発表がある可能性があります。

 ヒズボラは南レバノン国境付近で出番を待っている部隊に対してもミサイル攻撃を行い、大きな被害が出ています。これもイスラエル軍の集結地をミサイル部隊に連絡する者が隠れていることを暗示しています。また、次第にイスラエルの奥深くまでミサイルを飛ばすようになり、少しずつオルメルト政権を揺さぶるつもりのようです。

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