帰還した州軍の3分の2に改善が必要

2006.8.3

 military.comに気になる情報が載っていました。

 イラクやアフガニスタンから戻った州兵の34個旅団の3分の2が、戦争の準備ができていない状態になっていると、H・スティーブン・ブルーム中将(州軍)が発言したのです。これを改善するためには、210億ドル(2兆4千万円)の費用が必要だといいます。この発言は、軍当局、アナリスト、議員たちの発表を受けて行われました。

 米軍は部隊の状態を「C-1」を最良、「C-4」を再訂とする段階で表しています。派遣先から戻った部隊は戦車やトラックなどの装備を失うか、損傷、破損した状態で持ち帰り、隊員の一部は除隊したり、他のポストへ移動し、交代要員があてられます。このために、部隊の状態をC-1に評価できなくなるのです。

 米軍の装備はもともと他国から比べると優良なので、C-2に落ちたくらいなら大した問題ではないかも知れません。問題はその修繕にかかる費用です。戦費だけでも毎月膨大な費用がかかっていますが、それ以外に装備の更新にこれだけの費用が追加になっているのです。この予算追加は、この話の出方からして軍と議会の間の理解が取れているようですから、必ず実施されるでしょう。

 こうやってどんどん戦費が増えていくと、ボディ・ブローのような効果が生まれます。軍事分野の予算は最優先されますが、割を食って削減される分野が増え出すと、戦争のせいだと考える人が増えます。さらに、政府が真剣に取り組んでいない分野への不満となって噴出します。たとえば、地球温暖化対策がそうです。

 ちなみに、現在、アメリカで熱波が起きていますが、米気象予報センターは今年1月〜6月までのアメリカの平均気温が1895年に観測をはじめて以来最も高かったと報告しています。同センターは、9月までこの傾向が続くと考えており、地球温暖化がひとつの原因とみています。まもなく、アメリカはハリケーンのシーズンに突入します。今年もアメリカ南部に巨大ハリケーンが到来する可能性は大です。日本も九州をはじめとする大雨による被害を受け、この大雨は韓国、北朝鮮、中国にまで及んでいます。こうなると、何のための危機管理か分からなくなります。

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