2014年12月の投稿

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投稿者:泥憲和
日 付:2014.12.24

イラク軍がバイジ防衛戦で大きな損害を被ったそうです。
ISISとの戦いにあたってイラク軍が「弱い環」にならないか心配です。
弱いと見なされたら集中的にたたかれますからね。
イラク軍の志気が低いのは、一体なぜなのでしょう。

http://rudaw.net/english/middleeast/iraq/22122014

 まずは状況を記事から把握すると、戦闘は2日間行われ、イラク軍は大損害を受けたようです。バイジの南にあるスパイシェル軍事基地(kmzファイルはこちら)とバイジの北にあるバイジ精油所(kmzファイルはこちら)へ続く道路はまだイラク軍の支配下にあり、戦闘が道路沿いに起きています。イラク軍は精油所への増援を送るのに必要なので道路を支配するために戦っています。イスラム国も上級指揮官(Athir Masha'al Hamad、Wasfa Makhlaf Majul Abu Ubaidi)が戦死しました。

 バイジはスパイシェル基地と精油所の間にあり、バイジは陥落しています。スパイシェル基地と精油所の間は30kmあります。精油所を奪還するためにはスパイシェル基地から援軍を送る必要があるので道路を確保しようとしているということです。まだ完全に望みが絶たれたわけではありませんが、幹線道路がバイジの真ん中を突っ切っているので、ここが断ち切られると基地から精油所への増援が難しくなります。

 シーア派中心だったイラク政府の中で、スンニ派の軍人たちがやる気を失っているというのが一般的な見解ですが、いまはクルド人が大統領で、副大統領がシーア派。スンニ派は冷や飯を食わされているのかも知れませんが、自分たちの領域をイスラム国に支配され、古いイスラム方を施行されることに疑問はないのかと思いますよね。正直なところ、ここまでイラク軍が弱いのは理由が分かりません。米軍相手にはいい勝負をしたのに、米軍式の訓練を受けると最悪のパフォーマンスしか出さないのですから。

 

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